今年の4月18日をもって、エバーは創立30周年を迎えました。長いようで、短いようで、しかし私という人間は確実に30年、齢を取っています。衰えたところはあるにせよ、それに勝るものをいろいろと身につけたと思っています。それはエバーも同じです。生まれた時のエバーとは違うエバーが今はあり、かつてとは違う長所をいろいろと身につけて、今を生きています。
30年前と今。世の中は大きく変わりました。何が変わったか。ぱっと思いつくのは、建築審査の煩雑さです。ペーパーレスの今になって、紙は少なくなっただけで、書類としてのデータは膨大です。そして建築基準が変わるたびにボリュームは増え、審査にさらに時間を要します。審査する側の人数には限界があり、つまり待ちの時間がどんどん増えてしまっています。その間、現場は止まり、仕事は進みません。前回のコラムでも申し上げましたが、必要書類を増やして審査を強化するより、罰則を強化した方がよいと思います。その方が仕事がまわります。
では変わらないものは何だろう?それは素晴らしいお施主様との出会い、そして感動です。30期目の最後の月末、「中海岸Southernヴィレッジ1」のお引渡しが完了しました。そしてこの31期目は同じK様の土地にできる大規模プロジェクトであるRC共同住宅が完成します。場所は茅ケ崎市中海岸、文化資料館の跡地です。K様は、この土地を、大手マンション業者や分譲業者ではなくエバーに決めてくださいました。理由は、大切な茅ヶ崎の街の洗練を残したいから。茅ケ崎を大事に思う方が、エバーの30年の真価を認めていただき、信頼してくださった故にかなった仕事です。