ときめく人に時代は味方する。

砂浜で戯れてる焼けた肌の女の子達/おれは修理車を工場へ運んで渋滞の中/TVじゃこの国豊かだと悩んでる/だけどおれの暮らしは何も変わらない…37年前の浜田省吾さんの歌です。時代はまだバブルでした。今の若い人にはピンと来ない世界観だと思います。社会はまるで平等ではない、だからこんな世界を変えていかなければならない。そういったメッセージを強く感じたものです。
そして2023年の今。格差というものは、形こそ変え存在しています。相変わらず人々は嘆いています。そう考えると、時代はいつになっても変わらないのではないか、ずっとこのような感覚は続いていくのではないか、と思ってしまいます。否、本当にそうなのかもしれません。これは変わらないことなのかもしれません。
そうであるなら、時代を嘆いたり、何もしないで遠回りする方が損をします。私たちは感性を磨くことが仕事の大切な一環なわけですが、何も全てのスタッフが手作業で綺麗にカンナがけができる必要はなく、機械がけと手がけの違いに何かを感じようとする心の支度が大切なわけです。そのためにはさまざまな物や事に興味をもって、つねに心を忙しくときめかせていることが大事です。もちろんお施主様という人間が相手でもあるわけですから、その人が何を望んでいるかを考察する力もとても大事です。その能力を高めるには、自分自身が豊かな心を育んでいかなくてはなりません。
世の中を斜にかまえてシニカルになる暇があったら、興味をもったことにどんどん飛びついて寝るのを惜しむほど忙しくしていった方がいい、そう私は思います。それに私は、マスコミがよく言うような、この国が絶望するほどひどい国だなんて思っていません。むしろその逆です。いくらでも幸せになれるチャンスを誰もが持っている、そう思っています。