エバーグリーンホームよ、未来に輝け。

味がいい店と雰囲気がいい店と、どちらがお好きですか?おそらくどちらもいいお店にこしたことはありません。ところが高級店は別として考えてみると雰囲気がいいお店というのは何軒も思い出されるものの、味がいいお店というのはそれほどはありません。まあまあ美味しい、というお店はたくさんあっても「この店は本当に何を食べても美味い。心の底から美味いと思える」と思えるくらいのお店は、そう多くは思い当たらないのではないでしょうか。日常で出かけるたいていのお店というのが、雰囲気があって落ち着けて、そして味はそこそこ良い、そんな感じなのだろうと思います。
身近にあって、心の底から美味いと思えるお店というのは、まさに宝物です。そして、そういうお店に限って値段も威張っていなかったりします。「こんなにいろいろな美味しいものが、このくらいの値段で食べさせてくれるなんて」それって至福です。私としては、雰囲気はもちろん良いにこしたことはありませんが、それよりも望むのはやはり「とにかく美味い」ということに尽きます。やはり、店に出かけて食べるということの本質は、美味しいと思い、そのことに感動すること、それより上はないと思うのです。
話は変わりますが、エバーは今年29期を迎えます。そして来年はついに30期です。私が一人で創業し、ただただしゃにむに、こつこつと会社を大きくしていった歴史があります。だんだんと仲間も増え、その力も加わって、そして今のエバーがあります。
創業から続く精神性として、やはり事を起こした本人である私の主義主張というのがエバーという会社に息づいています。かっこつける意味ではなくわかりやすい言葉として「IGARIイズム」のようなもの(元気ですかーっ!みたいですが)があり、それを周囲が理解し実践していくような性格があったと思います。
つまり、これまでのエバーという会社は「猪狩商店」であり、その看板の下でスタッフの個々が自由に個性を発揮し力をつけていった会社です。
しかし、いつまでもエバーが「猪狩商店」であることは許されません。時の流れがそれを許してくれません。私が不老不死でもあれば別ですが。
エバーは今までのように多くのお施主様に愛されながら、次の時代のエバーになる必要があります。来年30期を迎えることですし、私は、エバーの次の時代のための土台づくりをしなければなりません。今までは猪狩商店の番頭である私が判断すればよかったことですが、単にそれを次の誰かに託すような単純なことではないと思います。私の代わりに誰かがなるのではなく、エバーグリーンホームが組織として強固になること、エバーグリーンホームの組織化という変革が重要です。
私という番頭がいようといまいと、エバーはこれからも良い家をつくり続けるという本質を保ち続けないといけません。代が変わっても立派に美味しい料理が出せる素晴らしい後継者をもった店、本質を持った店、それが今後もエバーであって欲しいと思っています。その地固めをしていくための組織化、それが目下の課題です。そうすれば、エバーの未来は、もっともっと、今まで以上に、家づくりの本質を極めていけるはずです。