明るく健全な世界に、来年こそは。

先日のコラムでもお話しましたが、ウッドショックがいっそう深刻です。いや深刻なんていうレベルではない。輸入木材が2倍~2.5倍というあり得ない価格高騰を見せています。国産木材にいたってはなんと3倍です。これは本当にあり得ない現実です。そして事態は今後も続いていきます。
家を建てることは通常の買い物とは違います。車も家電も、そのほかの様々な物も、前もって値段が決まっているものは、その値段に納得したら買えばいいし、高いと思ったら買わなければいいだけです。ところが家は請負契約である以上、お施主様のご要望の変更などを取り入れながら、最終的にかかった金額がお施主様のご負担となります。よほど高価な素材に変えるとかビジョンの大きな変更などがない限り、請負契約時とかけ離れた大きな差額が発生しないということが当然です。しかし今は、家が建つまでの間に木材の価格がどんどん上がっていくので、お施主様のご負担というものが、お施主様のせいでもなく、我々のせいでもなく、想定外にどんどん上がってしまっています。
この問題に対し、エバーでは同様に痛みを負うべく、利益を削ってお施主様の負担を軽減しています。契約だけを考えたなら、この原因についてエバーがお施主様の追加分のフォローすることは、しなくてもよいことではあります。しかし、今回の件は見るに見かねます。お施主様の苦痛を少しでも軽減したいという気持ちから、エバーとしてお施主様と同様の痛みを分かち合っています。
それでも、私たちはそれぞれのお施主様に対して「申し訳ありません」と頭を下げています。お施主様はもちろんですが、エバーでさえいいことなど一つもないこの現状に、気持ちだけの部分で頭を下げています。開き直る気持ちになど到底なれません。
どこかで誰かが潤っているからこのような事態になっている、そう想像せざるを得ません。クーポンの事務費が呆れるほどの額であるのもそうですが、大学の理事長が私腹を肥やしていたこともそうですが、お施主さんも我々エバーも、どうしてそのような、一部の誰かのために割を食うことになるのか?そういう理不尽を思うと、最近の私は自身の無力さを感じるばかりです。
今年最後のコラムですがこのような話となってしまいました。来年こそはいち早くこの事態が収束し、お施主様もエバーも、安心して家づくりのことを考えられる、良い年になることを願うばかりです。