ラグビーワールドカップにこんなにも自分が熱狂するだなんて、ニワカの誰が想像していたでしょうね。そういう私も日本中に数知れないニワカの一人です。
でも、現象の始まりというのは全てこういうものです。今まで何とも思っていなかった人が、突然に騒ぎ出す、これです。今までラグビーにひたむきに愛情を注いでいた人が熱弁したところで、申し訳ないですがそれは大きな波にはなりません。今まで鼻にもひっかけなかった人が、誰に薦められるわけでもなく、ふと気づいたら気持ちを持っていかれていた、うわっ何だこの面白いスポーツは!と。この個々のエネルギーが渦になり社会現象になります。もう理屈とかではないんですね。細かなルールを覚えてから、みたいなことではないんです。屈強な男たちがほんの少しでもボールを前に進めていくために、自己犠牲の精神で一つになって戦っていく、この事実に誰もが感動しているわけです。相撲取りみたいな男たちがオリンピック選手ばりの速さで相手にぶつかっていく、その凄さを見せつけられています。
どんなスポーツにも醍醐味があります。このスポーツの面白いところはココなんだよ!というところです。だからラグビーが特別なわけではないと思います。どんなスポーツだってきっと同じくらい面白い。でもなぜ今ラグビーなのか?それは、強くなったからです。勝ち続けているからです。今までずっとラグビーファンだった人から言わせれば、日本が南アフリカやアイルランドやサモアに勝つだなんて、夢のような話であるらしいのです。現時点で予選最後のスコットランド戦はまだ行われていませんが、ひょっとしたらそれも勝っちゃうんじゃないの?などと皆をワクワクさせています。そうしたらまた一つ、夢のような話が現実になります。
逆に、強くなかった場合は?4年前、南アフリカにコテンパンにされ、今回も諸外国に徹底的にボコられているとします。それでも今のようにニワカが注目し続けるでしょうか?しないでしょうね、きっと。「どうせ負けるんだから見ないよ、もう」となるでしょう。今と同じくらいの気迫で戦っていたとしてもです。
勝たないとダメなんですね。勝って初めてニワカが騒いでくれるんです。強いということは、何にも勝る魅力です。古くからのラグビーファンの方々には失礼ですが「強いから面白い」それがニワカの真骨頂です。