うらやましいぞ、高校野球。

世間が少しずつ変わっていっているように感じます。
昨日、夏の全国高校野球が甲子園球場で開幕しました。暑さ対策の一環として史上初めて開会式が夕方に行われました。そして試合も大会6日目までは午前と夕方に分けて行う「2部制」になりました。慣習や気合を重んじてきた高校野球。別件では中途半端な対応が問題である高野連ですが、まず前例を変えたことは画期的と言えます。
高校野球だけでなく、世の中は「しきたり」というものに支配されています。しきたりとは昔からのならわしや慣例です。「前回も前々回もそうだったのだから今回もそれでよいでしょう」と。良い解釈をすれば伝統とか文化とか言われますが、昨今は、いい加減それでは駄目でしょう、という声を公然と上げられるようになった気がします。
しきたりは進化を嫌います。それで良いものもたくさんありますが、猛暑の高校野球は選手や観客の人命に関わる問題となりました。
私が、世間が少しずつ変わっていっていると思う何かとは、おそらく、今まで割にスルーしても平気だった「人権」について、正面から向き合い改善することから逃げなくなったことだと思います。人権の尊重について、疑問を持ったら声を上げていいようになってきました。人権重視を前提に凝り固まっていたことを臨機応変に考えられるようになりました。それは素晴らしいことだと思います。
それなら、ということで私も、臨機応変さを求めることがあります。夏の建築現場をもっと臨機応変に考えて欲しいのです。稼働時間は8時から5時まで、という地獄の時間帯です。ご存じのように午前8時なんて、もうとっくに暑い!いわんや日中は世間は外出すら禁止の陽気です。充分な休憩、経口補水液、冷風扇、冷蔵庫、水、塩飴…できることは何でもやっています。それなのに鉄骨や鉄板、その他触れたらやけどするようなものがいくつもあるようなのが現場です。「焼け石に水」とはこのことです。
たとえば日中は仕事を避け、その分多少涼しくなる午後5時から9時くらいまで働くとか、そういった時間に作業をシフトできないものか、と真剣に思います。近隣住民の方のご理解などが前提ですから、こういうことは国レベルで考えて決めてくれないと実現などしないでしょう。
しかし、しかしです。高校野球だって日中を避けるような時代になったのです。人権問題です。どうか一つ、臨機応変に。