エバーグリーンホームの施工例カタログは、何度も刷り替えが行われています。掲載させていただく邸は、毎回、直近の数年間に設計・施工、あるいはリフォームやリノベーションをお世話させていただいたものしか選ぶことができません。今年20年目を迎えたわけですが、その全てのお施主様の邸を掲載してしまうと、おそらく電話帳のようなものになってしまうでしょう。割愛させていただくのは本当に残念に思いますが、仕方のないことです。その分エバーのオフィシャルサイト(ここです)では、なるべく年月を遡って施工例をご覧いただけるようにしています。
今年20年目を迎えたエバー。たとえばその半分、最近の10年だけを振り返っても、その作風には変化が見られます。あくまでもエバーの家づくりはお施主様の思い描く夢をかたちにするもので、特有のスタイルは持たないのですが、それでも傾向はあるようです。それは、一つには時代の変化というものがあるのだと思います。そしてもう一つは、お施主様の属性の変化というものがあります。
エバーの家づくりは、以前から「個性がある」と言われ続けてきました。これはとどのつまり、お施主様の個性が突出していたからです。個々の皆様が千差万別のライフスタイルを思い描き、それをかたちにしようと奮闘されていました。そして、それを技術や経験でサポートしてきたのが、我々エバーです。だから、エバーが個性派集団であったわけではないのです。むしろ、夢をかたちにするのですから、現実派集団なのだと思います。
そんな流れから、だんだんと変わってきている、お施主様の属性というもの。 それは、家づくりを経験されてきた方が増えてきたことです。
すでに家づくりを経験されている方は、家づくりに対して強く安心であることを期待します。アクロバティックな発想を期待するのよりも、基本に忠実であることや、暮らしやすさについての追求があります。そういう意味で、すでに家づくりを経験されている方は、大手のハウスメーカーさんに流れる傾向があります。現場の安全対策費ひとつを取っても組織の力でコストを注ぐ、その信頼性や安心感に心が傾くわけです。
そういうお客様が、年々比率を増して、エバーにご依頼をくださるようになっています。その理由を察するに、発想力やデザイン力といった「お施主様の理解力」と、ハウスメーカーレベルの「家づくりの基本」との、その双方のバランスのとれた会社がエバーであると、認識してくださっているということです。ありがたいことです。
「前の家は本当に住みづらかった」「どうしてここに窓があってここには窓がないのか」「歳を経るにしたがって住みやすい家に変えたい」そういった声を、最近のお施主様は発せられます。すでに家づくりを経験されている方の、実感からくる言葉です。派手さやかっこよさ、可愛さといったものよりも、むしろもっとベーシックな、日々を暮らす上での安心感が欲しい、という。
エバーは長年「センスのいい工務店」というイメージを持たれてきました。そこに「センスのいいハウスメーカー」という、新しいイメージが加わりつつあることを感じています。少しずつ、でも着実に、この会社は円熟していってるのだなあ、と、感じているこの頃です。