小川道場の実績から、小川直也さんの取り計らいにより横浜白楽にある「朝飛道場」(兼ご自宅)の建て替えをエバーが仰せつかることになりました。道場長である朝飛大さんと小川直也さんは明治大学の先輩・後輩の関係で、同じ神奈川県下で柔道を通しての健全な児童の育成に貢献なさっていることから、小川道場を設計施工したエバーの実績を伝えてくれたのです。うれしい限りです。
明治大学柔道部ホームページより、朝飛・小川・吉田他8道場による合同げいこの様子
http://www.meiji-judo.com/untitled_000.htm
その「朝飛道場」ですが、今年、全国少年柔道大会で三連覇を成し遂げました。私としても喜びは最高潮です。50年の歴史ある道場が新しい道場に生まれ変わっていく節目に関わらせていただいているのですから、有終の美を飾るのと飾らないのとではまるで違ってきます。エバーが関わってせいで弱くなった、などと言われてしまっては悲しいです(笑)。晴れやかな気分で堂々たる新道場に携わらせていただきます。
ところで、朝飛さんはエバーにお話をいただく前は或るゼネコンと若干の建て替え話を進めていたということです。このご時世に理解に苦しむ話だったので、これから家を建てようとお考えの方にも教訓になるかと思い、ご紹介させていただきます。
そのゼネコンは軽量鉄骨ニ階建ての簡素な見積書を一枚出し、その予算ではこれしかできない、と朝飛さんに言ったそうです。これといった提案もなく、実情も踏まえず(知ろうともせず、と言った方が正しいでしょうか)道場側の希望も、ご自宅としての要望も、それはできない、それはできない、と「NO」の一点張りだったそうです。間取りも生活導線も考えられていない有り様でした。それだけでなく、支払う必要のない三分の一の着工金まで要求されたそうで。そして・・・そのゼネコンは二カ月後に倒産したそうです。何と言うか・・・。あの時もしも着工金を支払っていたら・・・そう想像すると冷や汗が出ると、今も朝飛さんはおっしゃっています。
そんなことがあってから、我々は小川直也さんを通して朝飛さんをご紹介いただきました。
エバーではある裁量のもとにRC造四階建てをご提案しました。道場とご自宅を兼ねるのですから、耐久性と快適性に優れたRC造がふさわしいと、普通に結論を出しました。
また、道場経営も大変であろうと思い、資産価値を上げることも必要だと、普通に思案しました。賃貸収入を得るなどしてローンの負荷を落とすことも重要と考え、その機能も兼ねた四階建てをお薦めしました。初期投資は増えますが、二階が四階になったところで建築費が倍になるなどということはありません。むしろ資産価値を上げるというビジョンを組み入れたので、銀行も融資がしやすくなりました。結果として、当のゼネコンが提示したものに比べて面積は倍になり、賃貸の住居が足され、設備が増え、構造が軽量鉄骨からRCに変わり、それでも5割程度の増し分で済ませたプランに、朝飛さんは大変喜んでくださいました。
以上、決して自慢などではありません。むしろお客様の将来を普通に考えれば、建物をつくるプロであれば自然と考えうる提案だと思います。お客様の得を考えることが、つくり手の得になる。商売の原点です。
それでも朝飛さんは今、我々との新しい道場づくりの共同作業に「楽しくってしょうがない」とおっしゃってくださいます。全国少年柔道大会三連覇、我がことのようにうれしいです。新たな出発にエバーが関わらせてくれていることに、大きな誇りを感じています。