大阪万博のCMを観て、私は自身の感性に疑問を持ちましたが、周囲の感想を聞いているうちに、やはり私は間違っていないのだと安心しました。自分には安心するとともに、あれでいいのだろうか?と万博のCMについて、大丈夫?と疑問をもちました。
どういうCMかというと、万博のコンテンツについての寸劇があって、一人が「すごいな、未来は…」みたいなことをつぶやきます。それに対し相手側が「何言ってんのよ、それ、今だよ」みたいなつっこみを入れます。つまり「万博は未来のことがすでに起こっているすごい場所」みたいなメッセージです。言いたいことは非常によくわかります。ただです、なんだか魅力的には思えません。世界を招く世紀の一大博覧会、という万博たる威厳をまるで感じられません。私だけの意見ではなく、私の周囲の多くの人がそう感じているようです。、
前々回のコラムで、今回の万博のシンボルの大屋根に膨大な費用がかかり、「世界最大級の無駄遣い」と称されているとお伝えしました。それをはじめとした会場設営にたくさんの労働者の方々が駆り出され、だからといってそのために流れる資金の大半が頭や体を使って働いた人のところに行くわけでなく、どこかしらの誰かが座っているだけで中抜きをして潤っている、という、そんな構造です。労働力の集中は日本中のあらゆる建築現場で人手不足をつくっているという弊害を生んでいます。能登の災害復旧工事にも多大な影響を与えています。
CMのことだけでなく、今回の万博はさまざまな問題を抱えているようです。世界に日本の国力を示す世紀の一大博覧会なのですから、素晴らしいクオリティを見せてくれることを祈ります。
万博の件だけに限らず、建築業界の人手不足は今とても深刻です。人手が確保できずに倒産する建築会社が多発しているほどです。そうでなくても建築資材の価格は高止まりしていて、たとえばコンクリートの価格は一時期の倍に跳ね上がっています。
お施主様にいかに負担をかけずに満足のゆく新居を提案していけるか、それはエバーに限らず全国の経営者が日々考え続けていることであると察します。