ダサい仕事をするなよ

ついにエバーグリーンホームのリフォーム事業部、通称「R-room」が本格始動しました。
リフォーム自体、エバーグリーンホームでは以前から依頼を受けて行っていたのですが、事業部として業務独立したかたちでスタートしたのは今回が初めてです。そして立ち上げ以来「R-room」のメンバーがとても生き生きと取り組んでいるのを私は嬉しく思っています。

ただ、今後、日々の業務に流されて、エバーグリーンホームの基本姿勢である「思いをかたちに」の精神を忘れないでいてほしいものです。
そして、お客様にとっても、自分達にとっても、ダサい仕事はして欲しくない。

私はダサい家が嫌いです。それは得てしてダサいデザインのことを指すのですが、デザインとはベーシックありき、機能ありきのものだと、さまざまな経験を通して理解しているものなので、デザインという表層がダサくなってしまうのは、思想や機能や素材という諸条件の全てを台なしにしているような気がして許せないからです。そういう意味で、私はダサい家が嫌いです。
とはいえ「じゃあ、何がダサくて何がダサくないんだ?」とスタッフに聞かれたなら、「ダサい」の総論みたいなものを説明するのは至難の技です。ただ言えることは、創作とはその人がもっている経験や感性の幅や知識欲や良質のこだわり等々からしか生まれないものなので、そういった創作の種というべきファクターをとにかく増やしていくしかないのだろうと思います。ない袖はふれないんだから、そういったファクターの重要性を感じずに生きてきた人に、どう「わかれよ」と説明したところでわかってくれるはずがない。
今月の社内再編を機に、私は社長室から下りて設計室にデスクを構えました。そうすることで、たとえば経験値の違う私がイタリアやドイツやオランダ等々で見聞してきた何かを近い距離で醸し出すだけでも、それはやはり創造の種になるんではないかと思います。そしてある時は隣のデスクから「ダサいよ」と喚起して再考を促し、結果的に「ない袖をもっと肥やさなければ」と皆が思えるような空気になっていけばと思っています。

人は誰でも「ダサいよ」だなんて言われたくはない。
けれども自分自身がスタッフにそうしていくことで、私自身、常に一定のレベルというものを自分に課していこうと思っています。人にそう言った以上は自分も決してそうはならないという、宣言のようなものかもしれません。