テレビっていうのは

年齢のせいでしょうか、テレビをあまり観なくなってきました。少なくとも、目的とする番組もなく単にだらだらと観るなんていうことは、すっかりしなくなったようです。それに、テレビ自体が面白くなくなってきたような気もします。ニュースですら、近年なおいっそう、物事の表層しか捉えていないという印象です。「え、それ本当?嘘でしょ?」なんていう風にツッコミを入れたくなるようなことばかり言います、テレビっていうのは。

「消費税が上がるから駆け込み需要で業界は潤うでしょう」なんて、テレビは言います。よく言うよなあ、なんて思います。何年前の話をいまだにしているのでしょうね。大方の国民は、消費税が上がったら、その後は実際の買え控えの対抗策として物の値段が下がること、よく知っていますから、そんな脅しには今さら乗っかったりしませんよね。建築業界だったら、建て売り住宅や既に建ったマンションは、むしろ増税前より安くなる場合も多くあります。そういった“在庫”を抱えることのない、請け負いであるエバーにはそういう現象は起きることはないので、むしろ増税というのはもろに利益に響くことではありますが、増税はある会社にとっては在庫処分のチャンスでもあるわけです。さしずめ家電業界であれば、エコポイント終了後に在庫は大幅値下げされます。さしずめ自動車業界であれば、「消費税還元キャンペーン!」なんていう名前の値下げがすぐに始まります。駆け込みという言葉に踊らされる人なんて、いませんよ、ね。

民主党と自民党の腹の探り合い、なんていうのも、テレビは毎日のように映し出します。あれほど期待させた瞬間は今はどこへ行ったのか、政権与党は文句ばかりで責任をとろうとする人が見当たらず、腹が立つばかりです。かつて文句ばかり言っていた人達というのは、いざ立場が逆転しても、ああも相変わらず文句ばかり言い続けるものなのでしょうかね。政治だけでなく、思わず周囲を見渡して似たような人物を想像してしまいます。そして、やっぱり腹が立ち、ああ、こんなニュース番組は時間の無駄だった、と反省します。

私のような人間は別として、物事の表層しか捉えていないものを観て、素直に「ああそうなんだ」と納得してしまう人は、実はとても多いようです。何かわかったような気分になって、疑問を持たずに落ち着いてしまう人たちは、安易に安心したいためにテレビを見続けているのかもしれません。一方、私のような人間にとっては、テレビは物事の上っ面しか届けない、都合のいいことしか言わない、としか思えなくなってしまい、それがさらに積み重なって、いつしかあまり観なくなってしまいます。

そんな私が、最近で面白いなと思ったのは「家政婦のミタ」くらいでしょうか。ああいうのは、腹も立ちませんから。