フェイントには、要注意。

サッカーワールドカップの日本代表、本当にダメダメでしたね。選手ひとりひとりは本当に全力を尽くしているのだと思います。しかし結果がついてきませんでした。一方、毎回一定の成績を出す強豪国というのは、今回も下馬評通りに決勝トーナメントに勝ち進みました。これはサッカーがくわしい人間に聞いてみるに「経験の差」であるらしいです。ということは、日本も経験を積むしかないということですね。ワールドカップに出場し続けるしかない、と。千里の道も一歩から、です。日本はまだ数歩を踏み出したばかりです。

話は変わります。再生可能エネルギーの固定価格買取制度というのをご存知でしょうか?ひと言でいうと、太陽光や風力、地熱をはじめとする再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定める価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務づける制度です。そういった制度が施行されつつありますが、そこには数多くのグレイゾーンが存在するようです。クリーンエネルギーの導入という大義名分があっても、電力会社にとっては他人が作った電気を買わなければならないというのは自分たちにメリットがありません。電力会社を後押しする政治家も、そんな制度は好みではありません。原発推進派はもってのほかでしょう。せっかくの素晴らしいポリシーも、雑音だらけの制度になってしまいました。残念ですが、私としてはどうにかそれが美しい実となって成熟するのを待つしかありません。庶民ですから安易に飛び付くわけにはいかないのです。

世の中は、大義名分と既得権益のせめぎ合いです。バランスが保たれているのならまだしも受け入れることができますが、結局は既得権益の比重が大きかった、とそんなことがよくあります。実に、しらけちゃいます。そう確信すると、もう、安易に飛び付こうだなんてこれっぽっちも思いません。生きていく上での「経験値」のなせる技です。戦況を見守るのが得策。やっぱり変わらないというのなら、やっぱりしらけるだけです。

ワールドカップの試合を興奮しながら見ていると、ひしひしとゴールキーパーの大切さというものを感じます。大切な試合ほど、多く点を取ることより、点を取られないことの方が大切なのだと実感できます。「次はどこからシュートが飛んで来るのか?」目を見張って、読みを最大限に働かせて、戦況を見守る。そんな一流のゴールキーパーの仕事が注目される場でした。失点を免れることが、勝ちにつながる。彼らは、フェイントをかける相手ほど、決してむやみに飛び付こうとしません。

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