プレイングディレクター

11期の決算報告を終え、エバーグリーンホームも新しいタームへと繰り出す。独りの身で創業し、そしてこの地に移転してから2年半の月日が経った。9月で、丸3年になる。あの頃と、今の自分。良い意味でも悪い意味でも変わった。

会社が成長することで生まれる長短、それはどこにでもある変化である。しかし誰にも頼ることなく全ての責任を背負ってやってきたあの頃と、スタッフを抱え要所要所に目を光らせることも必要な今とでは、昔の方が圧倒的にしんどかった反面 、お施主様とのコミュニケーションがシンプルでディープだった。取引先とのやり取りが実にストレートだった。要するにムダがなかったのだ。時間の使い方においても、全てにおいても。

ムダは、コストを圧迫する。スケジュールを圧迫する。施主様にムダな時間やお金を使わせてしまう原因になる。そして、本当に対処しなければならない大切な事に充てるべき労力を圧迫する。

エバーグリーンホームにとって、最優先に対処していくべき大切な事とは何か。それは、気持ちをこめることである。それが認められてきたから、エバーグリーンホームは存在させてもらっているのだと思う。我々は大手ではない。大手にひけをとらず施主様に満足していただくためには、気持ちをこめて家をつくること、それしかないのだ。心配性にもなってしまう。万にひとつ、気持ちのない図面 が出ないとも限らない、それが会社というものだからだ。

監督として、ベンチに座って見守るのか、グラウンドに立って近くではっきりとわかる指示を出す監督になるのか。立ち位 置をあらためて考えてみた。やはり私は選手兼監督なのだ。周囲と会話をし、遠くのベンチでは見えないムダをグラウンドでせっせと取り払うこと、そしてそれを見て周囲に感じてもらうこと、それがいま私がやらなければならないことだと思う。