カルロスゴーン氏の電撃解任で日産が騒がしくなっています。日本を代表する自動車メーカーの事件です。日本だけの問題ではなく、フランスの政府までが大きく絡んでいる事態ですから、これはもう相当な国際問題です。
ご存知の通りゴーン氏はルノー社のトップでもあり、ルノーと日産を統合する管理会社のトップとしても君臨していました。フランス政府の命を受けて鳴り物入りで大手をふるっていたわけです。
そんな逃げも隠れもできない人が、何十億という不正な所得をひた隠しにしていたということが、そもそもの不思議な話ではあったわけではあります。日産はある種、彼の傍若無人ぶりに反抗する術を持てず、「くれ」と言われたら例えそれが間違ったことであっても与えていかなければならなかったのでしょう。ひどい話ですね。
そして、ついに日産が反旗をひるがえしました。堪忍袋の緒が切れたわけです。そして蓋を開けてみたらば、かくいうカルロスゴーンという人の人格というものがあらわになりました。
どういうんでしょうね、この人というのは。何十億も不正しておきながら、そんな巨額の不正の意味がわかりません。やれ身内に与えたとか、自宅の購入をたて替えただとかありますが、それというのが、身内に名ばかりの仕事をさせて千数百万円与えていた、とか、なんだかそんな程度のことです。だったらどうして何十億も不正する必要があったのだろうか?一般人の私がみても「小さい奴だな」と感じます。そんな程度のことならもう少し地味にやった方が利口だったのではないだろうか?あんなに社内に敵をつくって、あげくに反旗をひるがえされたり暴露されたりして、馬鹿なのか?と思います。
おそらく、この人は、なんでもかんでも「俺にくれ!俺にくれ!全部くれ!」という人だったのでしょうね。意味もなく強欲なのです。
日本人とは異なる企業経営者感というものも、今回の反旗に一役かっていたのではないかと思います。日本人の経営者であれば、自らと同じように会社も成長することがより望ましいと感じるし、「社員は家族」とまではいかなくとも、社員個々の成長や幸福ということも同時に考えていくのではないでしょうか。その年よい仕事をした社員に200万円の報奨金を出すとします。その数を毎年100人とします。社員のモチベーションはものすごく上がります。かかるお金は毎年2億円です。皆が「がんばれば報われる、すごくよい会社だ。すごくよい経営者だ。」と思うことでしょう。そんなことだってできるのに、この人はその何倍ものお金を自分の懐に入れちゃいました。意味もなく強欲なのでしょう。
ところで、今回の日産の反旗は見事でした。逮捕直前までいっさい外部に漏れませんでしたね。財務関係の隠密部隊が外部はもちろん内部に対しても一切極秘で動いていたのでしょう。秘密を隠したコンピューターなど不正アクセスしたらルノーにバレてもおかしくないくらいの環境で事を遂げたのだと思います。まるでドラマみたいなすごい活躍です。日産はこういうすごい社員さん達を絶対に手放してはいけないと、おせっかいながら思いました。