先だってのIGARIブログ(http://ameblo.jp/ever-igari)にも書いたことです。
大手ハウスメーカーのパッケージに「長期優良住宅」というものがあります。
長い観点でエコに貢献するといい、税制面、金利面で優遇されます。じゃあこのどこが「長期優良」であるかというと、これは極端な言い方をすれば、単に政令に従ったハードスペックの部分のことを指しています。いかに丈夫であるかということを、政令に徹底的に遵守しているというかたちで表明しているようなものです。生意気な言い方をすれば、これ、当たり前です。しかもメンテナンスフリーのような書き方をしていますが、異論を唱えます。メンテナンスをしないで何十年もそのままの家なんて、有り得ません。
誤解はしないでいただきたいのですが、私は大手がわるいと言っているわけではありません。耳さわりの良いセールストークを簡単に鵜呑みにしないでくださいね、と言っているだけですから。ご自身の価値観というものを大切になさってください。そして大金を使って大切な家を建てる時には、その価値観を育むために学んでください。世の中においしいだけの話なんてありません。
世の中においしい話なんてないのと同じように、メンテナンスフリーの家なんていうのもないと私は思っています。
「この車は全く手がかからなくていいですよ」と販売員につられて買った車を、掃除もオイル交換もしないで乗り続けたらどうなるでしょう?手をかけなかったかわりに寿命が短くなりますよね?
家だって一緒です。掃除を怠らず、気になるところは修繕をして、要は愛情を注いでやること、手間を惜しまないことが、実は最も大切な「長期優良住宅」化の心得であるのです。
「住んでいるあなたは何もしなくても、この家なら大丈夫ですよー」と売り込む人がいたら、その人はどうかしています。その言葉に簡単に乗る人もまた、その時点で家を長持ちさせることのできない人です。
新築の家を見て「素敵」と思います。
それと同様に、古いけれど手入れの行き届いた家を見て「素敵」と思います。
そして新築の家は必ず古くなります。古くなった時に「素敵」であるかどうか、その鍵を握るのは、実は家ではありません。そこに暮らす人の家に対する心義です。家とは、手間がかかって当たり前のもの。だから楽しいもの。メンテナンスフリーなんて、いつの未来の話でしょうね。