今回もお寿司屋さんの話になります。恐縮です。
ついに知人がこの茅ヶ崎で寿司屋を開店することになりました。
場所は中海岸。目抜き通りからひとつ奥まったところに入った閑静な住宅街の中です。前回お話した「初音鮨」のように、味にこだわりをもち、本当においしいお寿司が食べたいと思う地元の人のためのお店にするということです。店の切り盛りは店主ひとり、小さな空間ゆえに全てに目が行き届くようにしたいということ。贔屓にしてくださるお客様にとって、大切な時間を過ごす店になることをめざして。とても嬉しくなりました。
店舗デザインをエバーが行ないます。ご主人の心意気に負けない空間創りを手がけるつもりです。
お寿司って、私が子供の頃は間違いなくごちそうでした。
今のように子供でも気安く食べられるロードサイドのチェーン店などなかったですから。時代は変わるものです。今は「なかなか手が届かない寿司」と「いつでも食べられる寿司(のようなもの)」の両極端になってしまいました。二極化、ですね。
たとえば昔はあった地元の贔屓の一軒寿司屋のように「無理せず行けて、満足できる」そんな中間のゾーンの店が衰退し、減っていく一方です。会話も近所のよしみで肩がこらず、値段も気にせずそれでいておいしかった、話を追っていくと同窓の輪ができていたり・・・そんな店です。昔はもっとあったはずです?どうして減っていくのでしょう?・・・
寿司屋の二極化に似た現状があります。
家づくりも二極化が著しいようです。建築業、家づくりの実態も、「お金をたくさん持っている人は名うての建築設計事務所へどうぞ!そうでない人は(カタログを見せて)こちらからお選びください!」といった、ふるいで二つに分かつような現状です。高級寿司店が無理なら、ロードサイドの回るお店の中からなるだけましな店を探すような現状です。
昔はそうではありませんでしたよ。良心的な値段できっちりいい仕事をしてくれる、そんな中間的な存在が近隣にちゃんといました。細々とであっても職人としての誇りが人一倍あって、必ずいい仕事をしてくれる人達がちゃんといました。
エバーは、気軽に相談できる町の建築屋でありたいと思っています。
多人数ではないけれど、いい仕事ができて、地元の信頼があって、重宝される存在に。とかくデザイン性での評価を高くいただいていますが、私達自身はむしろ真逆かもしれません。ひとり残らず額に汗して働いていますから。