茅ヶ崎のまとまった広い土地の計画が決まりました。それは大変光栄であり、ありがたいことです。しかし頭が痛いのが、このところの尋常ではない建築資材の価格高騰です。実にビフォア・コロナの5年前の倍に跳ね上がっています。これは資材そのものの価格が上昇したという単純な理屈ではなく、業者の中抜きがより顕著になったと推測できます。一方、人件費も倍近くに上がっているように見えるのですが、やはりこれも仲介による中抜きで、現場に実際に支給される額というのは、前よりちょっと上乗せされた程度である場合が多いと聞きます。資材にせよ人にせよ、いちばん汗している現場が割を食っています。
建築資材、たとえばコンクリートにしても鉄骨にしても価格は上昇する一方。衣食住といいますが、衣も食も求める人に応じて多様な選択肢があるのに対し、コンクリートや鉄骨は画一的なマテリアルであり、それでいて住には欠かすことのできない核心です。消費者はその金額で買う以外に選択肢がありません。安定的な価格で供給されることをぜひとも望みます。
単価が上がれば中抜きが増えるのは人材も同じと申し上げました。現場で働く人々はいかに人手不足であろうとさほど劇的に潤っているわけではないはずです。そこへきて万博で大勢の働き手を持っていかれています。
元日のおめでたい雰囲気の中で能登地震は起きました。まもなく半年です。たった半年であるのにマスコミの取り上げは今ではめっきり減りました。金沢のような都市は別として、震源域である半島郊外では解体作業が遅々として進んでいません。全国的に人出が足りず、そこに万博が拍車をかけています。主要都市以外の所は、ほっとかれてしまうんだな…、と悲しい気持ちになります。
必要な物や人を、必要なところに、掛け値なく、すばやく。それが必要です。