日本の家は幸せでしょうか?

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

とはいえ私、EVERGREENHOME代表取締役・猪狩裕一、今年は本厄の年です。
人間、確実に歳をとるものですね。歳をとる、こればかりはどんな国に生まれても、どんな境遇であっても、皆平等です。勝ち組も負け組も皆平等。正社員も派遣社員も皆平等です。

「全然、お正月らしくない感じがするんだけど・・」先日、取材ライターと雑談をしていました。
町を歩いても門前に目立つ正月飾りは見当たらないし、周囲で景気のいい話もそうは聞こえてこない。さらにはテレビをつければ派遣村の報道・・本当に「めでたい」と思っている人はどれくらいいるのだろう、などと考えてしまいます。この国で、あらゆる矛盾が起こっています。今まで均衡を保っていたことが、明らかに、そのバランスを崩してしまっています。
正月明けの日本経済新聞に、わかりやすくそのことが記されていました。

「そもそもは銀行の貸付けシステムに問題がある。」

たとえば家をたてる時の融資が代表的です。新築するにあたって銀行から金を借ります。そして家がたつ。ローンが発生する。ところが家自体は買った時点からその価値が急激に下降していきます。それこそ、買ったとたんに2割や3割は平気で価値が下がります。私たちは価値が下がる一方の家に暮らし、同時にローンに縛られるのですから、身を守るためにできることと言えば貯蓄くらいのものです。せめて貯金くらいは、という脅迫観念にとらわれ続けます。経済が活性しない大きな要因だと書かれていました。

本来、“価値”とは流通するモノに対してあるべきものです。
しかしこの国では長年の習慣として、“価値”を個人に対して見出してきました。「この人はどこどこの企業に正社員で勤めているから安心だ、だから融資しよう」のように。人に対して貸す価値のあるなしを判断するのに、モノに対しての価値にはそっぽを向いてきました。

いいモノを買えば財産になる、それが豊かな国の発想です。
ところがいい家をたてても財産にはならないなんて。ローンの目減りよりも財産の目減りの方が著しい仕組み。本当にこの国は豊かなのか、疑問に思います。
古くても手入れの行き届いた家に感動する、それは心の豊かさです。そして、そこに価値を見出すこと、それが真の豊かさではないか、と私は感じるのです。