小児科のお医者さんが「とても暇です。良いことですが。」と仰っていました。新型コロナウイルスの影響で、うがいや手洗いの励行が良い方向に影響し、子供たちの風邪やインフルエンザが著しく減っているからだそうです。
今までも、手洗い・うがいをまめに行えばそのような病気にはかかりにくくなる、ということは、子供の頃からしつこいほど学校で教わってきたわけですが、今回の件でいかに私たちがそれを今までいい加減にしてきたのかが露呈しました。こんな事態ですが、探してみるとこういう救いのある話というのもあります。
台湾のような国は以前の新型肺炎での反省を踏まえて先手先手の対策をとっていたとのことですが、日本は当時痛烈な影響がなかった分だけその対応は手探りでした。初動が遅すぎたとも思えるし、甘く見すぎていた、とも感じます。
さて、大切なのは、こういう事態になって、これから一人一人がどう過ごしていくかです。日本は再び元気にならないといけません。そのために、一人一人が何ができるのかを考え、実践していかなければいけません。そして、明けない夜はないことを心に掲げて前向きになっていくことです。
幸い、私の家族は高齢でないし、健康です。エバーのスタッフやその家族も皆が元気に日々を過ごしています。では私がいま何ができるかを考えてみるに、自分、家族、エバーのスタッフ、近隣の方々や近しい友人、お施主様などに、わずかでもいいから幸福を感じてもらうことだと思っています。
エバーのグループであるフレンチレストラン「ル・ニコ・ア・オーミナミ」は、やはりご多分に漏れず影響を受けています。だったらいっそこの機会に、その場を使って仲間やその家族、子供たちを招いて、美味しいものをみんなで食べるような機会をつくろうか、などと考えているところです。学校が休校になり、退屈している気持ちが少しでも晴れたらいい、と思っています。もちろん何はさておき衛生対策を万全にした上で、関係者の皆様の慎重な意見を取り入れ誰もが納得のいく上で、の話です。私たちには今、楽しい、と思える時間が本当に必要です。
また、東北の震災の時もそうだったのですが、用心はしても委縮はすることなく、できるだけ普段通りに過ごすことを大切にしています。必要ならいつもの通りに人に会い、馴染みの飲食店に顔を出し、食べたいものがあったらそこに出かけて行って楽しい時間を過ごす、そして時が時だからせっせと手を洗いうがいをする。相手を思ってマスクをする。周囲を慮る気持ちを普段より上乗せして、今まで普通にしていたことをこれからも普通にすることです。なるべく積極的に経済活動に参加し、恩恵を受けたら対価を支払い、些細であっても経済を盛り返す一員であり続けるようにしていこうと考えています。