環境問題のA・B・C、あるいはD

いよいよ2008年。
2008年と聞いて、さて何の年だったか?と思い出した。ついに京都議定書が施行される年でした。

私としては、家づくりにメリットのあることなら積極的に取り入れていこうと思っています。
そこで、神奈川県産木材を積極的に使用することで、地産地消の文化と、近隣の森林の復活に努めていることを、雑誌広告でメッセージしました。テレビでも、大手のハウスメーカーがトビウオを題材にして山林開発の重要性をメッセージしていましたが、それと似て否なる感じでしょうか。
実際、家とはもともとその土地で育まれた木材を使って建てることがあたりまえだったわけですから、神奈川県の家には優秀な神奈川県産木材を使用しましょう、と、至極あたりまえの視点に立っているだけですが。

環境問題とは、知れば知るほど、自分が何をしたらいいのかわからなくなってしまうような感覚に襲われます。たとえば、ゴミ問題。プラスティックゴミは燃やした方がいいのか?リサイクルした方がいいのか?地球環境と処理コストのバランスを考えた場合どちらが正当なのか?・・・燃やせばCO2は発生するから燃やさない方がいい、という単純なことでもなく、じゃあ燃やさずにリサイクルした場合の再製品化に至る中間処理のコストはどれくらいかかるのか、圧縮することでも同じく発生する二酸化炭素の排出量 は理にかなっているのか、などなど、いいことばかりでは済まされない。結局リサイクルした方が3倍もお金がかかるともいいますね。一方、ゴミを燃やす場合はそのことで電力が生まれます。東京都の場合、それでもCO2の排出は0.01%のアップで済むともいいますし。

横浜市のゴミ分別は徹底していることで有名で、ビニール袋から何から全部分別の対象にされています。市民にゴミ分別の負担が増えることで、結果 ゴミの全体量が減ったという。いい効果ですね。そういう意識の面で良かったのだと感じます。しかし一方で、ダイオキシンというのは850℃以上で燃やせば自然分解され、自然界にあるダイオキシンよりも低い濃度で維持できるらしい。それだったら、まとめて1回で燃やしちゃってもいいんじゃないの?などと思ってもみたり。

 たしか作家の養老猛司さんだったと思います。氏は別 荘を建てる際にオール電化にしました。エコロジカルな哲学を一歩押し進めて、太陽光発電を付けてみたらどうかと考えて、ふと立ち止まったといいます。それは本当にエコなんだろうか?太陽光パネルを作るためにどれだけのコストがかかっていて、どれだけの輸送費がかかっている?家の耐用年数は長い、しかし太陽光発電はそんなにもつのか?否、家の寿命ほどはもたないであろう、すると修理や買い替えは覚悟しなければならない。何度かにおよぶ施工や処分はエコロジカルな行為なのか?いやいや、自然エネルギーの有効利用は未来人類の課題なのだ。・・・うーん、結局どうすればいいのだ?・・・云々。

あらゆる環境問題に、Aという考え方とBという考え方がある。半年後にはCという考え方が出現して、隣り町はなんとDという考え方だった。つねに「どれが正しいんだ?」という議論は繰り返されます。説得力のある唯一の正解を導いてくれる者は誰もいない。
だから私は、知識を高めて、日々マナーを向上させるくらいの楽な気持ちでいたいです。間違っても、考え過ぎてヒステリックにだけはなりたくないですから。