逆風を歩き続けて

我が身にふりかかるというより伝え聞く感でですが、サブプライムの影響がすさまじいです。
記憶では確か世界の4割の金融がアメリカに存在しているのだとか。その価値全体が根底から信用を失ってしまった今、世界はいったいどこまで破たんしてしまうのでしょう。
あのGMが本社を売却までするという現実。帝国の一象徴は、存在する価値すらなくしてしまいました。

その「価値」とはいったい何でしょう。
私は、価値とは相対的なものではないように思います。過半数の人がいいと思って評価されていく、そういうものは絶対的ではなく、何かのきっかけでストンと落ちてしまうこともあります、ちょうど今回の一件のように。価値とはあくまで個人的な尺度でありたい、と感じます。ひとりひとりが思う「大切」、価値とは結局そういうものであるべき、と。ある時に景気がよくなって自分の土地が倍の評価額になったからといって、その人の財布がふくらむわけではありません。その土地を売るのなら別ですが、売らないのなら別にその人が潤おうわけではない。相対的に決められた資産価値、そういう価値に価値観を見い出すより、その人にはもっと大切な個人的な価値観があって(先祖代々暮らしてきたから大切だ、とか)、そっちの方がその土地の価値ではないでしょうか。
他人や大勢の手で上がられたり下げられたりするものではなく、個人の思い、その方がやはり価値と呼ばれてほしい。価値は大切であるべきものです。

EVERGREENHOMEという会社は、創設以来、逆風の中を歩いてここまでやって来ました。
景気が後押しすることなどただの一度もなく。幸か不幸かそれは、自分達以外の何ものをも頼りにしない見識を培ったのだと思います。いい波なんてひとつも来やしないんだから、自分で工夫して漕いでいかなきゃしょうがない。突然の嵐にもなんとかやり過ごす知恵がなくてはしょうがない。

だもんだから、これから先、万が一いい波が来ても、その時はちょっとハスに構えるような気がします。
世の中、調子が良くなったらなったで、ついその調子にのって忘れてしまうことも多い。家づくりとは、相対的な行為ではなく、お施主様が個々に大切にしていくものの創造。個人に向けた行いであり、まさしく価値の創造です。浮き沈みある現象に関わるよりも、おそらく大切な業であるということ。これからも肝に銘じて行くとします。

EVERのマスコット犬PAYA。石井選手の金メダルをつけて。後ろは私です。