2年前も、4年前も、なぜかそうでした。

鎌倉市内で現在建築中の邸の、その傾斜の下にあるお宅の屋根が吹っ飛んでしまいました。先日の台風で、です。決して軽い部材ではありません。それが恐ろしいことに風に舞い上がって、上に立つ建築中の邸の外壁にぶつかったり、破片が四方八方に飛び散ったりしました。幸い、当たって怪我をした人はいなかったようですが、周囲の家屋に被害を与えてしまったようです。私たちは震災から多くのことを学んで、それを実践することに勤しんでいますが、迫りくる天災は地震だけではないのだと身をもって感じた次第です。とくに異常気象が頻発するであろうこの先。雨や風が今まで以上に脅威になってきます。家をつくる立場として、そのことを痛感する出来事でした。

100%安全な人生がないのと同じように、100%安全な家というものはおそらくありません。しかしそれを万全に近づける努力をするのが私たちです。目をそらさずにしっかり向き合い、時代ごとの課題にどう取り組むかが大切です。

課題、ということで別の話題へ。私自身の課題というものは、どうやら2年周期で巡ってくるようです。それは大きく言ってしまえば、エバーを初心に帰すこと。基本に立ち返るという作業です。

車もそうですが、乗っていれば自然と調子が落ちます。定期的にオイルを交換することが必要です。潤滑油が機能しなくなれば走りだってわるくなる。エバーも同じで、なぜか2年周期くらいのタイミングで、潤滑、つまり、コミュニケーションとか心配りとか能率とか、そういったことの滑りがわるくなるようなのです。おかしいぞ、と思う時が一定周期で訪れてきて、それを修理するのが、やはりというか毎回私になります。そろそろ解放されないものか、と思うのですが。

お世辞抜きに有能なスタッフが集まっているエバーですが、それでも少しぶれる時があり、それがオイル交換の兆しです。お施主様を上手にコントロールできずにジレンマを与えてしまうことが良くありません。もっと知恵を使い、お施主様の気持ちを思い、迅速に臨機応変に対処すようという気持ちがあれば解消できたことが目についてくるのです。どこかで誰かの気持ちにある「逃げ」を見つけた時に、「それは違うよ」とさとして再考させる手助けをすること、そうすることが全体の潤滑を取り戻す私の作業になっています。

オリンピック、ワールドカップ、そういった大きなイベントってだいたい4年周期です。2年で基礎をつくって、次の2年で仕上げていく、そんなことの繰り返しなのかと思うと、エバーの2年周期というのも何か意味があるのかもしれません。2とか、2×2とか、そういうのって人間が本来持っている成長の尺度なのでしょうか。くわしい方がいたら話を聞いてみたい気分です。