HEADLINE~トヨタ営業利益2兆円突破の見通し

トヨタ、営業利益2兆円突破の見通し

トヨタ自動車は、来年3月期の営業利益が国内の企業で初めて2兆円を突破する見通 しになったと発表。

トヨタが発表した来年3月期の連結業績見通しによりますと、本業の儲けを示す営業利益が2兆2000億円と、国内の企業では初めて2兆円の大台を超えて過去最高を更新する見通 し。

また、売上高は23兆2000億円。純利益も1兆5500億円と、ともにこれまでの業績見通 しを上方修正した。

下半期も引き続き、円安による収益の押し上げ効果 が見込めるほか、北米やヨーロッパでの小型車などの販売も上半期の好調を維持できるとみています。また、今年度1年間の世界全体の販売台数も847万台と、これまでの見込みを2万台上方修正しており、空前の好業績を受けて、世界最大手のGM=ゼネラルモーターズに一段と迫ることになる。

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猪狩:これどう思います?

ライター(以下T):唖然とします。

猪狩:国家予算ですよ(笑)

T:どのあたりに着目されますか?

猪狩:それはやはり「カイゼン」の言葉に象徴されるように、あらゆる面 でのムダの排除じゃないですか。

T:ムダって・・・ムダですもんねえ。

猪狩:ムダって、どうして生まれるんだと思います?

T:・・?

猪狩:考えないから生まれるんですよ。当たり前の話だけど、考える人は日々考えるから「カイゼン」なんて要らないんですよ。要は、そうじゃない人をどう啓蒙するかということでね。きっと今までは、「現場ではムダをしないように」だとかって言ってムダの排除をしてきたんだけど、そういう時のムダって、たとえば「節約しろ」だったり「集中しろ」だったり、あくまでも命令ですよね。

T:うん、うん。

猪狩:命令されたら考えないで済むでしょう。

T:はい、はい、まさに。

猪狩:そういう啓蒙の仕方の限界をトヨタは感じていた。とくに世界的な雇用だしね。このままでは、今までと変わらない。考えない人は考えない。考える人も積極的に考えようとはしないってね。言ってみればトヨタ式は「方針」ではなく「思想」ですよ。

T:思想だから自発的に考えることを必要とする。だから世界中のトヨタに「カイゼン」という言葉を与えた。現場では「この作業はこの歩幅でこう動け」とか徹底したマニュアルがあるんだけれど、「カイゼンはさらにカイゼンできる」的な上昇志向が生まれるますね。

猪狩:「カイゼンって何だ?」って考えることからしないと、もはやトヨタの一員としてはやっていけない。面 白いですよ。「改善」じゃなくて「カイゼン」にしたら、それは世界に通 用する思想になったんですね。

T:命令されるだけのお気楽だった人はつらい。

猪狩:パソコンとかロボットにできることなら、もう人間がやることないだろう、と。人間は考えるのが仕事だ、と。いわば温かいですよ。トヨタで「カイゼン」という思想に出会った人は、その後の人生の財産にもなるんじゃないかな。

T:何事にも時間の使い方が上手になるでしょうね、そのおかげで。

猪狩:時間も、お金もね。トヨタはちゃんとそういうことがわかっていてね。考えることに対しての対価というのもダイナミックですよ。先日の派手なレクサスの販促イベントにしても、大手代理店に支払う企画料というのだけで、普通 に考えた企画料というのとはケタがいくつも違う。

T:甘んじてはいけないですね。つねに「これでいいのか?」っていう意識をもって。

猪狩:心に「カイゼン」を意識してね。