バイオ燃料ブームで果汁100%ジュースが値上りの兆し。
T:そうなんですか。
猪狩:家畜飼料の国内需要に充てるわけです。自国で消費される飼料ぐらい自国で生産しよう、という意識の高まりですね。「地産地消」の意識です。
T:オレンジの価格が高騰するだとか、ジュースが値上がるとか、バイオ燃料ブームによる弊害は取り沙汰されているけれど、国内で「地産地消」の意識が高まるというのは面 白いですね。
猪狩:家畜飼料だけでなく、これをきっかけにして「地産地消」の意識が全体的に高まればいいですよ。あらゆる食材が輸入で支えられている国ですから。ブームのバイオ燃料だって「地産地消」の理想にのっとって、国内でどんどんトウモロコシやサトウキビを生産すればいいんじゃないですかね。
T:減反で使われなくなった農地がいっぱいあるわけですよね。
猪狩:休耕田でどんどんバイオ燃料を生産すればいいのに。もともと何も作っていないのだから、バイオ燃料作物を栽培したからといって、ほかの作物の生産量 が減るわけではないから。なかなかそう簡単にはいかないものなのかな・・
T:自国で消費されるバイオ燃料を「地産地消」する・・・
猪狩:使っていない土地で次世代のガソリンを作ろう!(笑)農家の収入も安定しますよ。農業のポテンシャルが変わるね。
T:農業が復活したら家づくりは変わりますか?
猪狩:先人の暮らし方をもっと学ぶでしょうね。和の家づくりには優れた文化がある。自然に逆らうとか、自然に打ち勝とうとかいうんじゃなくて、共生するという柔和な気持ちに立ち返るでしょう。皆が優しさを取り戻すかもしれません。