足りない。

コロナの落ち着きとともに土地の値段が落ち着いてくれたらいいんだけど、と思っています。そして、土地もさることながら、材木が高い。一体誰が儲けているのだ、と思ってしまいます。
損をしているのは誰か?これは明白です。それはお施主様です。そして、その次が我々です。
お施主様の次に我々工務店が損をしているのはなぜか?それは、材木の値段がお施主様との契約当時よりも上がってしまうからです。お施主様の邸をこの値段でおつくりしますね、と約束をした後で、その家を建てているあいだにどんどん木の値段が上がってしまっていくのです。
通常のペースでいけば、着工してから木材を納材するのは3~4か月先です。仮にお施主様とのあいだで値上がりを想定した契約をしていたとしても、それを全てお施主様の負担にすることはできません。なぜかというと、実際の使用分の計算をすることが非常に困難だからです。「柱を何本使ったので値上がり分はその掛け算です」のように単純な計算方法ではなく、材木はボリュームのようなもので割り当てを決めています。そうすると、全体の値上がり分というものを緻密に把握することがとても難しい。ましてや必要以上にお施主様の負担を増やすようなことはできないので、値上がりを想定した契約をしたとしても、我々としては少ない使用量の感覚でお施主様に負担をお願いします。つまり我々はそこで発生する負担を補填しているのです。お施主様の負担が発生すると同時に我々の負担も発生する、という、双方ともが損をする事態です。
おそらくその手前までの流通では、値上がり分はクリアな状態で、誰も損はしない状態で、資材は流れているのだと予測します。しかしながらエンドユーザーの一歩手前で、弱者は負担を強いられているのが現状だと思います。痛みは弱者を襲ってきます。
今回のウッドショックでエバーのような会社は多大な影響を受けます。つくづくエバーという会社はシステマチックではないと痛感させられます。しかしながら、システマチックではない分だけ景気に左右されないメリットもあります。景気の良し悪しに関係なく、良い家を建てたいと思う皆様からお声かけをいただくことができ、常に多忙を極めることができているわけですから。
とにかく今はいろいろなものが足りていません。半導体が世界的に不足しています。たとえば洗浄便座のようなものとか、湯沸かし器のようなものは、いま壊れたら修理に時間がかかるし、じゃあ交換しよう、と思っても家電量販店やネットで品切れになっていますのでご注意ください。すぐに治ってくる、すぐに交換できる、と思ったら大間違いです。下手をすると湯沸かし器なしでひと月以上生活する、なんていうことも…。(新築をお建てになる方は大丈夫。発注から納品まで時間の余裕があるので十分に間に合います。)
とにかく足りないのです、いろいろなものが、今。