先日、仕事中に、スタッフの少々がさつな行いを見ました。
私は「おい、どうしてそういうことをするんだ?」とそのスタッフに注意しました。後で考えて、そんな言い方をすべきではなかったな、と思いました。かといって何も言わないでいるのは優しさではありません。こんな時どう言えばいいのだろう、と、そんなことを思いました。
いわゆるホスピタリティの問題です。
ホスピタリティの本質は好意と誠意です。「好意」とは、相手がこちらからの好意を感じるということ。「誠意」とは、相手がこちらからの誠意を感じるということ。だからといって「これはあなたのためを思って言っているんだよ。」と言ったところで、「余計なお世話だよ。」と心の中で思われるのがせいぜい。難しいものです。
要は対等になること、同じ目線で話し合うということをしないと、人は他人に上からものを言われている以上、逃げ場を失って反発するしかないのですね。あの時に発した私の言葉も、自然と自分が上からものを言ってしまっていました。それが正しいことであろうとなかろうと、言う側が上、言われる側が下、と、上下を作ってしまった時点で、好意と誠意は伝わらなくなってしまったわけです。
人は、経験を深めたり、自信を高めたりしてゆくほど、自分至上主義になってしまい、傲慢になってしまいうこともあります。ちょっとした言葉が、実は一方的に上からものを見ていたり、相手の立場やプライドなどを気にもかけなかったりすることだってあります。
経験や自信と同じく、ホスピタリティの精神も同時に高めていかないと、どんどん勘違いをされる人間になっていくのかもしれません。
人間というのは、微妙で複雑なニュアンスの生き物です。20代の頃など、そんなことさして考えていなかったんですけどね。