どこの会社でもあるように、エバーにもスタッフが集う定例の会議というものがあります。
そこでは現状を報告したり、他人の仕事を良し悪しを含めて評価したり、要は会社のレベルアップを全員でめざす目的の場なのですが、総じて「報告会」として必要なものです。
それとは異なり、仕事を終えてからのスタッフとの食事会などは、皆が権限や立場をある程度取り払って気安く、しかし真剣に会話ができる場としてもとても重要で、それはやはり報告会ではなく「現場の延長線上」です。
双方とも大事なものですが、たとえば経営者である私が、会議の場で「経営の指針」なるものを難しい顔をして皆に説明しても、それはなかなか伝わりづらいものです。
しかし、仕事終わりに一緒に唐揚げ定食でもかぶりつきながら、「これからはこんな風に考えているんだけど、皆はどう思う?」などと持ちかけると、その反応の強さや速さというのが明解です。相手が思っていることや疑問に思うことをすぐに感じ取ることができたり、その相手ゆえに発せられる個々の考え方が言葉になって返ってきたりします。自分の主張を理解してもらうだけでなく、それ以上に相手のことがよりよく理解できたりもして、いろいろな意味合いで双方に発見が多いのです。会議がよくないと言っているのではなく、会議では生まれないものが生まれているということです。何かこう、ソウルフルな部分というか・・・
「気合いを入れ合っている」なんていうことかな、とも思います。とても原始的なことなのですが、とても大切なことに思えます。気合いとは、伝染させるものではなく、本来は自分だけに発せられるもので、他人にアピールすることが目的ではありません。しかしそれが自然なかたちで相手に伝わった時には、とても良い効果をもたらします。しかし、そうした「気合い」のようなものは、なかなか会議のようなものでは交換しづらいものです。
「あいつがあれだけ真剣に考えているんだから、俺も負けてはいられない。」そう思い合えるのは、やはり会議の延長線上ではなく、現場の延長線上なのかもしれません。立場上やむをえず現場を遠ざかることもある私ですが、他人の気合いをもらうためにも、できるだけ現場主義でいたいと願っています。くだらない話も山ほどする私たちですが、気合いもなかなかのものだと自負しています。