いいかげんにしろ、と神様がお怒りです。

エバーグリーンホームでは本社屋の1階、通りを歩く人に目につきやすいように、仕事で出た端材をまとめて「ご自由にお持ち帰りください」とメッセージを出しています。資材の無駄の出ないよう日々細心の注意を払っていても、どうしても再活用できない端材が出てしまうのですが、そうしたものでも、必要な人がいるのなら無駄にしないで何かに活用してもらえたらという気持ちです。であるからして、ほとんどのものがサイズも材質も不揃いです。そうであってもある人にとっては家のちょっとした所を修繕するのにちょうどいいサイズであったり、子供の工作にお誂え向きであったりするかもしれません。誰かの役に立つなら単に捨てるよりははるかに良いことです。
そんなことをしているからでしょう、先日、あるお施主様と話をしていました。すると、いま物置小屋をつくろうと考えている、だけどしょせん物置小屋、お金はかけたくない、と仰るのです。至極当然のお気持ちです。その時、たまたまですが、色違いなど半端材であるもののご希望される数量があったので、格安でご提供しようと思いました。時間を決めて、エバーの車で集めた端材をお宅まで運びました。
お施主様は、これで無駄な出費なく物置がつくれる、と、とても喜んでくださいました。片や、私たちエバーにとっても幸せなことです。なんせ処分費用の節約になるんですから。おまけにお施主様の喜ぶ顔を見ることができる。どちらも幸せなwin-winの関係。
実は私、先日のこの出来事に、このところ感じたことのなかった幸福感、満足感を得ることができました。なんだかとても良い気分になれたのです。他人様が幸せになることができ、同時に自分たちもそのことで幸せになれる、これ以上に素晴らしいことなんてないのではないかと思います。
かつて「もったいない」という日本人特有の感覚が海外でももてはやされました。そして今は世界がこぞってSDGsを提唱しています。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)とは、簡単に言えば「人間はもうこれ以上自然や環境に悪影響を与えないように努力していこう」ということです。もはやその思想は取り組んでいかなければ投資もサポートも得づらい風潮なので、CMではやたらと「私たちはSDGsに取り組んでいます」の言葉が目に入ります。紙のストローなんて美味しく感じないんだよなあ、などと密かに思う私ですが、それも受け入れていかないといけません。
「もったいない」という言葉は、そのほとんどが「むやみに費やすのが惜しい」という意味で使われます。しかし元々は「神仏に対して不届きだ」という別の意味も持っているそうです。神様の怒りを買ってこうなった結果であれば、反省すべきが今なのかもしれません。
もったいないからやるという発想のエバーの端材提供は、これからも続けてまいります。小さな小さなSDGsだ、と思ったりしています。