エバーがエバーたる所以です。

サッカーワールドカップ、残念でした。やっぱりベスト8の壁は高いのですね。それにしてもあの三苫君、驚かされました。あの速さ、日本中が目を見開いたことでしょう。
カタールのスタジアムも魅力的でした。アラブ的な曲線が随所に活かされ、独特の雰囲気で魅了してくれました。しかしながら会期に間に合わせるべく工事において何人もの尊い命が失われたと聞きます。残念なことです。かたや日本では考えられないこととは思います。
工事における日本の安全対策というのは世界屈指のものではあると思います。それは事前の対策としてさまざまな検証や審査があるからです。それに従い書類というのも膨大です。とくに公共工事においては人命最優先を徹底的に貫いているので、書類に背いたり、現場で臨機応変に変更したりできるものではありません。仮に現場において既定路線より最善の策が見つかったとしても、それを実行するためにはそのための新たな書類や審査が必要となり、当然その後の工期が遅れてしまうので、それはよほどのことがない限り実行されないと思います。
私たちエバーについて、幾度となく周囲の皆様が、公共工事は携わらないのですか?とお聞きくださいます。皆様、単純に不思議に思われるのでしょう。まず、エバーがそれらに関わったとして、想像されるのは、書類の山です。エバーのスタッフはかつてないほど書類に忙殺されてしまうことが間違いありません。そして、エバーのエバーたる持ち味が活かされなくなってしまうでしょう。つまり、お施主様のためにぎりぎりまで考えることや、さまざまな現場に合わせて臨機応変に部材やアプローチ方法を進化させていくことなどができなくなってしまうのです。
家づくりはただでさえ書類がたくさんあります。それらが多ければ多いほど、工務店は設計や施工を行うことに圧迫がかけられてしまいます。大手さんのように人材が多く揃っているなら別ですが、少数精鋭のエバーではそういう体制は不可能です。
現場の土壌を見て、こういう傾斜だったらこういうアプローチが最善ではないか、などと皆で議論し、お施主様にご納得いただき、その結果コストを節約することもできたりし、当初よりも良い家が建つ。そうしたことを考えるのがとても楽しいのです。それができなくなったら、エバーは、もはやエバーではなくなってしまうのです。