海と山に囲まれ、緩やかな空気が流れる住宅街にある開発地内のプロジェクトです。6区画の中から南に開けている旗竿地をご選択されました。
お客様がお持ち込みになられたコンセプトは「光が差し込み、空を見上げる2階LDK」。
コンセプトブック内に綴られた内容の中で、
・隣地に囲まれた1階では、プライバシーの確保が難しいため、バルコニーを庭のようなスペースに
・遠景の山を眺めたい
・カーテンをなるべく使用しない生活
を強く意識したいと、打合せ内でお客様よりいただき、2階の一部開けている箇所からの遠景が最大限切り取れられるようなLDKにおける窓の配置を最初に決定しました。
そのピクチャーウインドウがいろいろな角度から楽しめるよう、対面にバルコニーを、またロフトも計画していましたが、奥様のご身長から、ロフトへの荷物の上げ下げが苦にならない方法と、眺めを考慮し、蔵空間に転換していきました。
蔵の上の空間は、第二のリビングとして全体の奥行を出すこともさながら、お子様の安全な遊び場所、お客様スペースなど、多様な使い方ができるようになりました。
バルコニーは南という定説から、解き放たれた北側に配置したことにより、日射方向に関係なく一日中安定した光が入る庭空間が生まれました。さらに、壁を白で塗装し、高く立ち上げたため、明るく、プライバシー性も確保しています。
バルコニー→リビング→ピクチャーウインドウ、が一つの線形としてつながり、実間取りより奥行が感じられ、遠景を眺め、「空を見上げる」ことができる空間となりました。