ご両親様、ご息女様夫婦、ご子息様夫婦の3世帯住宅となる、新たなる試みの邸です。6メートルほどの専用通路から各々1棟分の面積が取れる広い敷地。アプローチやLDKの配置を試行錯誤の末、ご家族がコミュニケーションを取りやすいコの字の中庭タイプに落ち着きました。

・A棟（親御様世帯）
お父様、お母様世帯のA棟は最も日当たりの良い南東に面しています。お手持ちの絵画やタペストリーを飾れる壁面を計算し、リビングや寝室への日の入り方を重視しました。これまでの生活の一長一短をパーフェクトにすべく収納や洗面室の使い方も熟考されました。
定期的に訪れるお客様用の寝室スペースをリビングに設けたいとのご要望もありました。開放的で明るい空間よりも落ち着いた空間がお望みとの事で、洞窟的な少しこもった感じをイメージしてお打合せを重ね、最終的に窓の光を間接的に入れるような斜めの天井と間仕切り用のカーテンBOXのスリットを組み合わせて完成させました。
時間によって移り行く光の帯が真っ白な壁に表情をつけてくれます。奥様が時間をかけて丁寧にお選びいただいた内装材は、終の棲家として暮らしを楽しむためのアクセントになっています。

・B棟（ご息女様夫婦世帯）
ご息女様夫婦世帯のB棟は、広々としたLDKでのご家族の団欒を最も重要視されました。加えて各自の個室も充実させ、とくにご主人の書斎はこだわりが詰まっています。
モノトーンの落ち着いた感じがお好みで、キッチンの黒と濃グレーの面材が幅広でラフなオークの床材が空間全体を引き締めてくれています。やりたい方向性が初めから決まっており、最後までブレずに貫いてくださったことに感謝が絶えません。

・C棟（ご子息様夫婦世帯）
ご子息様夫婦世帯のC棟は、少しコンパクトなLDKながらしっくりと落ち着く空間となりました。動線が生かされ、しっかりとした収納量で生活しやすい邸となっています。
現在、富山に赴任中で途中奥様のご懐妊もあり、大変な中でのお打合せや決めごとにメールやお電話でご対応いただき、ありがたく感じました。LDKはこれからのご家族の変化に随時レイアウトが対応できるようにLDの照明はダクトレールを採用。家具に合わせて照明も移動できます。全体的に動線もシンプルで心地よい空間にまとまっています。

建築中にご家族が増え、中庭から各邸へ走り回るお子様たちとの、にぎやかで楽しい日々が目に浮かびます。