敷地は茅ヶ崎にある約800世帯あるニュータウンの一角に位置します。もともとは都内にある他社様で計画をしていたお施主様でしたが、敷地のある茅ヶ崎の工務店でお考えを変え、エバーにお声がけいただきました。他社様で計画していたプランはそのまま引き継いでおり、設計者の意図が垣間見え勉強にもなりました。
建物全体の模型を作成し、建物の形状の確認や外壁の仕上げの範囲の確認をし、少しずつ改良を重ね完成に至りました。
ニュータウンという住宅密集地に対し、外側を閉じて内側に豊かな外部空間を創出しています。住宅密集地でありながら周辺環境を気にすることなく、中庭で緑を感じ、バルコニーでは空のみが開けて見える気持ちのいい住空間としました。
中庭の吹抜け部分を中心に1階は居室とホール、2階はLDKと水廻りがレイアウトされており、玄関に入るとまず階段越しに中庭とそれぞれの居室の入り口とホールの両サイドが正面に見えます。
これら8枚の建具は中庭に面したサッシと高さを揃えてラインを整えることで、中央部分の廊下と階段に奥行きのある印象を与えています。
とくに玄関脇のSICの建具は標準の既成建具を使用していますが、壁、框、中方立の納まりをはじめ、取っ手をつけずに納めるなど細部にこだわって仕上げました。
階段を上がると天井高2700㎜のオープンなLDKの空間が対照的に広がります。
タイル、ガラス、スチール等様々なテクスチャーを採用していますが、白を基調に色を抑えて、黒の直線的なライン(間接照明BOX、スチール手摺、アルミフレームガラス戸)によって視覚的に引き締めることで、バランスの良い空間になりました。