300坪を超える「茅ケ崎文化資料館」跡地という絶好の環境に共同住宅を建設するという、エバーにとってはかつてないほどのビックプロジェクト。
プレゼン時からのコンセプチャルな項目として、お施主様の思いでもあったお名前(イニシャル)を何かのカタチとしてデザインに入れたデザインに終始しました。
またアイコンとしてのファサードの大きな流れは、南東に向くマンション名を包み込む造形と光へとそれぞれに昇華させることができました。
ファサードイメージ先行での計画から、構造・法規制等様々な課題をクリアしつつ、完成形にたどり着くのは至難の業でしたが、各業者様のご協力を得て、無事に完成できました。
RC構造のため、木造では成し得ない微妙な斜めの組み合わせで外壁を構築し特徴的なバルコニー腰壁は茅ヶ崎ならではの波や風や山といった自然の息吹を感じさせるラインです。
コンクリート打ち放しをメインとし、無機質ながら、飾らず、驕らず、職人達の心意気と技の集結を見た邸となりました。
各間取りは、変形建物をいかに区割りするか、それぞれの区画の中で最も効率よく使いやすい配置は何か、などを熟考し、最終プランにたどり着きましたが、内装や設備においても画一的な共同住宅とは異なる仕上がりになっています。
計画から完成まで2年超の長丁場でしたが、地域密着の工務店にしかできない特徴をもった建物にすべく、スタッフ一同総力をあげて取り組んでいきました。
・エントランス
敷地は南西角地から南、西に面する道路があり、その道路高低差は東側と西側で1メートル以上。エントランスは下方西側道路に面した長さ13メートル、幅5メートル、スラブ間高さは2.5メートルの空間。
細長い空間をより印象付けるためにポイントを絞り込みました。
①直線的なモノで構成する。
②視線を誘導する灯り、光を用いる。
③テクスチャを活かして、統一感を出す。
これら3つのポイントを踏まえて次のように進めました。
先ずは高さをクリアするため、天井3か所を横断する梁型の底と西面道路側、東面駐車場側のそれぞれの開口に向かってVの字に天井を結び、一番低いところに自動ドアを設置する。→そこから駐車場側の空に向かって延びる緩やかな勾配天井を、4メートル+4メートルの無垢サペリ材の格子と鉄の吊り具・天井板で製作。→継ぎ目に4メートル+4メートルのライティングレールを挟み込む。→壁面は風除室より外側は素焼きのボーダー瓦、内側はRCの打ち放しをビシャンで仕上げ。→道路面からの視線、階段を上がる際の視線、これらを計算して、RCの跳ね出しベンチの下端とニッチの間接照明、スタンド照明を配置。→ガラスの仕切り越しに温かい光でそれらを映し出す。→床面、外階段は天然御影石(スチールグレー)のジェットバーナー仕上げを採用。その重厚感で壁や天井の個性豊かな素材をまとめています。
・間取り
15部屋ある住戸の間取りは、ほとんどで異なるプランとなっています。平面形状が特殊な形をしていることに加え、上下階で外壁面の位置が異なるためです。
設備や建具、床材などの仕様はエバーの新築住宅でも用いているグレードとなっています。
その中でも3階の二部屋は広くゆとりをもった間取り、かつ設備も一部変更したしつらえとなっています。
チークの無垢のフローリングを全面に敷いた一部屋は、建具もあわせ無垢の引き戸を採用しています。新築であっても長くそこにあるようなあたたかな雰囲気をつくっています。
ウッドワン様からご協力いただきWOシリーズに合わせた色合いの特注のキッチンを配した一部屋は、こちらの集合住宅の中でも一番の見晴らしの一部屋となっており、広いルーフバルコニーとともに、広々としたLDKの空間を楽しんでいただける空間となっています。
各部屋には警備システムも配備し、安心して暮らしを営んでいけるよう準備しました。
プレゼン段階より多岐にわたりご尽力をいただいたお施主様には、関わったエバーのスタッフ全員からこの場をお借りして感謝を申し上げます。