敷地の不定形さに合わせて、高低差もある、そんな非常に難しい土地というのが第一印象です。 逆にこの2点をうまく活かすことで、普段では表現できない建築の魅力を生み出すことができるのでは?という考えを根底にプランニングを行いました。
道路より落ちた敷地は道路斜線を緩和し、ご要望である天井の高さを存分に確保することをかなえました。通常は建物の最高部を高くすると景観を害する恐れがありますが、それも今邸では道路のアップダウンに合わせた屋根形状をとることで、違和感なく敷地に納めることができました。
不定形な敷地は単純な建物形態を許さず、それ故に上手く操作をすれば、ダイナミックかつ個性に富んだ建築を自然と生み出すことができる、という非常に良い例だと思います。お施主様からの要望も非常に高く、それらをしっかりと建築として表現できたことをとてもうれしく思います。
1階は各部屋のカラーが異なりカラフルなのですが、少しだけ落ち着いた色でまとめており、統一感があるようになっています。寝室は2色の塗料をスポンジでたたき、奥行き感のある良い雰囲気の仕上がりになっています。
リビング横の2部屋の奥の部屋はお施主様のお仕事部屋になっており、そこをつなぐアーチの通路は娘様のこだわりポイントになっております。
1階のトイレの手洗いボウルは娘様の手づくりで、ボウルと壁の色とタイルとのバランスは大変悩まれた部分でした。2階トイレも洗面のお気に入りのタイルに合わせ壁をさわやかな水色にされています。照明は透明感のあるガラスのペンダントランプにし、左官の壁に優しい陰影を映し出しています。
こだわりの部分は本当にたくさんあり、お忙しいところ娘様にもご協力いただきました。結果大変気に入っていただけて、私たちもとてもうれしく思います。