逗子の山間の地域に建つ住宅です。敷地の長手方向が南に面しているため、できるだけ建物を北側へ寄せ、南側に広く庭を設けるように計画しました。住居系地域のため北側斜線制限が厳しく、さらに敷地中央で約80cmの高低差があり、屋根の形状をよく検討する必要がありました。
斜線制限をクリアし、建物全体のボリューム感を検討した結果、寄棟屋根をくずしたような3方向に流れた屋根形状に落ち着きました。
1階はLDKおよび水廻り、2階は寝室と子ども室、書斎となっており、2階のバルコニーからは近隣の屋根をこえた位置に目線があることで、逗子の綺麗な山や空のうつろいを眺めることができます。
外部は駐車スペースとして大きな軒下空間を設け、駐車だけでなく庭と連続したさまざまなアクティビティに対応できる空間となっています。
お施主様は鹿児島にお住まいで遠距離打合せのためお顔を合わせての打合せは数回のみでしたが、お客様の事前準備と集中した打合せで効率よく進めることができました。
水廻りのショールームも鹿児島でのお打合せでしたので、仕様を含めてお客様との行き違いがないか、不備はないか、確認と伝達はかなり慎重に進めました。
内装については、高低差のある宅地にあわせたステップは、縦に長い建物の前面と奥側を区切るシューター(飛行機の乗降口)のようなイメージです。玄関の吹抜けの開放的な空間(白くて明るい内装)→細長い廊下(抑えた暗めの内装)→そこを抜けて3段のステップを上がった扉の先にもう一度広がった空間(大開口のサッシと明るめの照明)といった風に印象的に仕上げました。
ご要望であった収納は効率良く納められるよう、1階の共有スペースでは個々に隠す収納で見た目にもすっきりと、2階の個人スペースではファミリークロークの中を区切ってスペースとコストを無駄なく効率よく仕上げました。