敷地は、位置指定道路の袋小路に接道しており、鎌倉の中心でありながら人通りが少なく、比較的穏やかな時間が流れる環境。建物の南側には江ノ電が通り開けており、日中の日差しを有効利用するため南面の屋根全体に約9kWhの太陽光パネルを設置しています。

お施主様が在宅ワーカーということもあり、冬場は日中に得られる太陽光発電を電気式床暖房に使い、夏場はエアコンを稼働させ、年間を通して太陽光によるエネルギーを有効利用できるようなシステムになっています。お施主樣のライフスタイルによって、その敷地で得られるエネルギーの使い道を考えることも重要なことだと実感しました。

屋根の形状は太陽光パネルの設置面積や方角、設置角度によっても左右される箇所でもあるため、必要な電力量と外観のデザインを両立させるのは難しい問題です。しかし今邸のような南側が開けており、前面道路が北側の敷地では、太陽光パネルが外観のデザインとして主張がなく、全体をすっきりとまとめることができています。

1階は主にご主人様のお仕事スペースです。玄関を開けるとウォールナットのヘリンボーンがお出迎え。重厚感のあるダーク色の框ドアと落ち着いた色味の壁紙が旧き良き時代の落ち着きを感じさせます。和室には、お客様とゆっくりお話できるよう堀ごたつを設けました。

2階も重厚感はそのままに、しかし色味のトーンを上げて爽やかで明るい印象の仕上げとしています。ナチュラルな木目とグレーの壁紙で、くつろぐ時間がゆっくりと感じられるような優しいインテリアです。

ロフトの大きなデスクに座るとリビング全体を見下ろすことができ、家全体が広々と感じられるとともに、バルコニーから江ノ電を眺めたり美しい山あいも楽しめます。