専用通路を要する旗竿地へのプロジェクトです。建物構成は、土地の広さを活かし、1階にリビング、2階に各居室を配しています。
干場を含めた2階ホール部分が吹き抜けを通して1階リビングと連なり、さらに客間の建具を開け放つことで、大きなワンルームのような空間とすることが可能な間取りになっています。
外部とのつながりを大事にしたバルコニーの形状や素材選びは、建物のアクセントとなっています。
建物のプランニングや開口のサイズ・位置などについて、お施主様と何度も擦り合わせを行いながら進めていったことが非常に印象的であり、その結果、お客様のこだわりを全面に表すことができた邸となりました。
玄関ホールは、お施主様が仕事でインドネシアに赴任していた際に揃えた、お気に入りのインテリアや家具のイメージでご提案いたしました。ポーチに面した一面のガラスから見える玄関正面の壁をひとつのアクセントとし、バリの濃い茶色の家具が引き立つように、床と合わせて大理石風のタイルを使用しました。玄関ホールの横に設けた手洗いスペースもこの雰囲気に合わせて、大理石のモザイクタイルを使用しています。
奥のトイレは、お打合せで何度かレイアウトを変更されるほどのこだわりの空間です。ホールへのつながりを保ちつつインパクトを持たせたいということで、正面にターコイズブルーの壁紙をセレクトされました。なるべく空間を取るために、手洗いの配管は、横の玄関の洗面と組み合わせるような複雑なレイアウトとなっています。
玄関からLDKにかけて、また和室から軒下のデッキにかけては、設計の「つながりを持たせたい」というコンセプトのもと、天井の羽目板、間接照明、サッシとサッシの間の柱型、カーテンBOXなどを違和感なく一体的にみせるために、サイズ・寄せ・取り付け下地・取り付け方法・色合わせなどを、最も時間と手間をかけ繊細にほどこした部分です。
階段横のブラケットは、お客様の思い入れのあるものです。ご自身が照明関係のお仕事に携わっていらっしゃるので、配線やつなぎ方まで細かくご指導いただき、大変勉強になりました。