道路側には3方に空地をとった小さな切妻、敷地の奥に大きな切妻が配置した住宅です。
広い土地を三つに分筆された一番北側となる計画地ですが、西側には立派な松林の公園、東側には江の島を臨む眺望のある魅力的な敷地です。
それぞれの風景との距離を縮めるように、公園側は2階の床から少し下がった位置に床(踊り場)を、眺望側は2階から少し上がった位置に床(ルーフバルコニー)をつくり、その2つの床を緩やかにつなぐように2階に天井の高いリビングを計画しました。
踊り場には奥行きのあるベンチ、ルーフバルコニー手前にはすのこ状の格子床、それぞれの窓辺に居場所を作っています。
1階は、縦長の敷地ゆえに長くなってしまう廊下をあえて幅広くし、ウォークスルークローゼットとすることで機能的で効率的な平面としています。
道路面は、2階建てよりも少し低くしていますが、塔のようなプロポーションの切妻小屋が隣地と大きく離隔をとりながらゆったりと建つ姿となっており、新たな町並みを形成していく手がかりになるのではないかと考えました。