最初にお会いしたのは奥様。建築の話しよりもエバーのカタログ制作についてのお話しからでした。都内でクリエイティブなお仕事をご夫妻でなされていて、そういった観点からか、施工例という意味だけでなく「これだけしっかしたカタログをつくられているからには、建築もしっかりされているだろう!」と仰られたことが強く印象に残っています。対等な目線で対話していただき、必ず良いものができると直感しました。
建物の構成はお客様が描かれたスキップ状の断面スケッチをベースに進めていきました。その上で、スキップフロアとするために必要な構造壁を確保しつつ、外観にアクセントをつけるため、雁行形のプランとしました。
内部空間はスキップを利用したダウンロフトと中二階の収納スペースを設け、階段を中心とした立体的な拡がりを確保しています。
高さの調整や構造検討など設計にかかる労力も大きかったのですが、お話をさせていただきながら、一緒にものをつくり上げていく感覚を持てたことが、それにも勝る原動力となりました。
内装面でも、お施主様のはっきりとしてかつ固定概念にとらわれない生活スタイル、家に対するモチベーションの高さにいつも関心させられました。
ある時、電気配線の打合せでプランをお渡しして「次回までにご検討下さい」としたところ、次回の打合せでご主人様が「毎日、徹夜で電気のシュミレーションをやりすぎて、くたくたですわ〜」「仕事より疲れました〜」と冗談まじりで話してくださいました。そして奥様は「シュミレーションはもう完璧です!」と。毎回毎回、私たちも打合せを楽しみにしてやらせていただきました。
ちなみに、表札の熊のサインは、ご主人様のデザイン。とってもかわいいです。
「お客様の声」でもくわしく紹介しています。あわせてご覧ください。