OBのお施主様にご紹介いただいた、不動産業者様のための新築建築です。

規制が厳しい鎌倉の中での建築でしたので、当然のことながら近隣に配慮し、町並みを壊さないようなプランをご提案させていただきました。

敷地は、鎌倉の山を背後に持つ素晴らしいロケーションで、落ち着きのある住宅地であったため、周囲の雰囲気に馴染むよう、周辺に比べ少し大きなボリュームを適度に分節しながら構成ができないかと考えました。その結果、平面形状は雁行型となり、基準階に8つの部屋が並ぶ寄宿舎でありながら、8割近い居室を二面採光とすることも叶いました。

エントランス正面のファサードは、平面形状の雁行によって生まれるコーナー部分を強調した意匠とし、背後の山なみとも調和する建物の顔をめざしました。

内装は、日本の和の心が残る鎌倉にふさわしく、リビングや居室に和の雰囲気のある内装を用いたり、個性豊かなタイル調の床を使用するなど、それぞれ部屋ごとに色のある内装になっています。

周囲の四季の変化と天然木羽目板の経年変化を楽しみながら、永く住み続けて欲しい建築となりました。