敷地は鎌倉の海が望めるロケーションであったため、海岸沿いの建築として相応しい意匠を模索することから始まりました。結果的に、外観はシンプルな白い箱型の形状とすることで、海と北側の緑が映えるものとしました。
内部空間は、LDKを階段状のスキップフロアにして一体的な広がりが感じられる構成とするため、構造の考え方に苦戦したものの何とか設計当初に想定した空間を実現することができました。また、ペントハウスから屋上にあがれば、海はもちろんのこと鎌倉の街並みも一望できる空間となりました。
仕上げ材に関しては真っ白をご希望されていたため、床材や造作材など異素材間での白の統一に時間をかけました。内部・外部ともに白色で統一することは無機的になりがちで居住空間として冷たすぎる場合もありますが、清潔感のある「白」を感じながら無意識に人肌も感じられる程度に彩度を落としています。
床面が光沢のあるタイル仕上げで統一し、壁面・扉に関してはマットな質感がかえって光沢を美しく映えさせます。大きな窓からの風景やステップフロアのリズム感もあり、程よい柔軟な空気を感じることができます。キッチン廻り・洗面廻りの収納も全て扉で隠すようにしているため、住まわれてからもすっきり広々とした空間を想定しています。
お引渡し後は、建物の内部空間も外部空間も満喫していただきながら、楽しんで住んでいただけると確信しています。
※2016年2月、外観・屋上の撮影写真追加(1〜3枚目)