建物はお施主様のオフィスになります。RC造の改修計画ということで、既存躯体や設備の調査から始まりました。
建物の考え方や間仕切り壁の構造、断熱の工法など、ふだん設計している木造住宅とは異なる仕様で進める必要があり、設計というよりも建物の調査に多くの検討期間を要しました。
既存の躯体は直天井で仕上げられており、壁と天井との見切りや、既存扉との高さの取り合い等に苦心しました。
もともとは住宅として利用されていたものですが、構造躯体を残し、他のすべての壁を取り払うことで拡がりのある一体的なフロアとなり、事務所としても広々と利用できる空間となりましたが、電気配管や設備配管の取り回しには工夫を要しました。
今後RC造の設計をする際には、電気や設備を含めたスケルトンインフィルの実現を考えることが重要だと学んだ次第です。
床材はさまざまなものを検討しましたが、最終的に事務スペースにも無垢のフローリングを選ばれたことで、全体的に木の温かみが感じられるオフィスとなりました。
1階はスタッフの方が休憩に使われるスペースということで、エントランスホールの壁はガラス貼りにし、開放的で、他の階とは少し違った印象の空間となっています。