海・山を望む贅沢な環境に、やわらかな白い外装の建物。3方向が抜けた高台に立地している本邸は、周囲の山々が望めることと、隣地の緑地帯を生かした配置とすることを大事に考えました。
外形は、敷地形状により一部雁行型にすることでコーナーとなる部分をつくり、3階建のボリュームを分節しつつ周囲の山々の景色が感じられるよう工夫しました。
プランニングに際しては、細かな部分までお施主様のこだわりがあり、外に見える景色と実際の生活をイメージしていただきながら、時間をかけて進めていきました。そのため、でき上がった空間は日々の生活の中で外部が感じられる構成にすることができました。
内部は詳細までお施主様のこだわりがちりばめられています。和風を意識した3階のプライベートスペースは、大窓に掛けられた障子の敷居の幅を広げ、文机のように仕上げています。ご主人様の読書スペースとして考案された空間です。
床材、造作材にはナラ材を統一して使用しています。計算されたボリュームで配置しているので、適度にすっきりとモダンな空気を残しつつ、無垢の自然さが表現されています。飽きのこないしつらえは世代を超えて長く楽しんでいただけることと思います。
細かな外構や植栽計画については、実際に住みながらじっくりと考えたいということで、季節の移り変わりを感じながら継続して自らのすまいを創り上げていってくださるということです。そんな今後が私たちもとても楽しみです。