「木貼りの切妻小屋」が最初の打合せでお持ちいただいた写真イメージでした。住民協定により隣地との十分な離れや緑化が約束されている、風の抜けや緑が豊富な南面の敷地。そこに切妻のボリュームを置くところから計画はスタートしました。
熟練の大工が保護塗装しながら、一枚一枚重ね貼りするレッドシダーシングル貼りの外壁を印象的に見せるため、切妻のボリュームに対して、光の入り方、借景のとり方を整理しながら開口部をおさえる計画としました。
アトリエ(仕事場)とひとつづきの1階LDKには日光を和らげながら取り入れるため、あえて南面に大きな開口を設けず、窪ませた二階バルコニーから隣り合うスノコ床越しに、光をリビングに落としています。
二階は、東側隣地の木々を借景として取り入れることで、各部屋に広がりを作り出すことを意図しました。お施主さまこだわり満載の空間となりました。
質感から色味の合わせまで、細かくシュミレーションをさせていただきながらお打合せを進めていきました。
木製サイディングが印象的で中に入るとオークのヘリンボーンの床がリズム感を継承しています。床以外は極力シンプルで凹凸もなくすことで調和のとれたコントラストができています。素材は無垢の材を多用し、シンプルながらも暖かい柔らかい印象に仕上がっています。
大きなキッチンスペースにはモルタル天板と壁を作ってアクセントとしており、良い緊張感があります。
2階は変わって元気な印象のあるメープルのラスティック材を使用していて、子供部屋につくった在来の2段ベッドや廊下の図書スペースもイメージを統一させ、明るく気持ちの良い空間になりました。