海沿いの街の高台に位置し、海が一望できる絶好のロケーション。敷地形状が複雑、かつ道路とは4メートル以上の高低差がある土地。鎌倉市の風致地区であり、さらにただしがき道路というさまざまな要素をもったお土地へのプロジェクトでした。海だけでなく緑も隣接した自然豊かな立地条件を建物に組み込みつつ、 風致や法的な規制をクリアする建物形態が要求されるがゆえに、大方のデザインがその条件に帰結していきます。そうなると自ずと建物のシルエットは浮かび上がり、あとは設計者がお施主様の要望を踏まえ、整える作業を加えるだけで、十二分に建物の個性が現れてくる、それが今回のK邸になります。

塩害を意識した外部仕上のテクスチャーがより一層個性を引き立て、唯一無二の存在感を持ったファサード表現となりました。

1階はプライベート空間＋水廻り、2階はＬＤＫというシンプルな間取り構成とし、敷地形状がもたらす自然の凹凸をアクセントに据えています。

設計の大部分を委ねることで現れた造形・機能美。そこにお施主様の遊び心が詰まった箱。それを体感できる邸となりました。いたるところにお施主様のこだわりがたくさん詰まった邸です。

床は全て無垢のバーチ材を使用しており、出窓部分にも同じフローリング材を四方に貼っています。一番悩まれたLDKの正面のタイルは空間の良いアクセントになりました。

キッチンは旦那様と奥様が二人でお料理を楽しめるよう広々としており、背面やダイニング側にも収納棚を製作し、収納量も十分とれるようにしています。

子供部屋やパントリー等のアクセントカラー、また和室などはカラーの珪藻土を使用し遊び心を取り入れつつ落ち着いた色合いの空間になっており、どこにいても楽しい空間に仕上がりました。