エバーグリーンホームの最新施工例

空間の極み、
それは「足す」ではなく「足りる」。

茅ケ崎市 (鮨と酒 静)
空間の極み、<br>それは「足す」ではなく「足りる」。

POINT

「静」という屋号への思いを店主が受け継いだのは、いまから遡ること32年前、昭和60年の9月。その歴史ある場が、ある事情により半年前に閉じることになりました。オーナーならびに店主は、苦渋の決断と葛藤を抱えながらも新たな道を模索する中、一度は止まってしまった針を再び動かすことからこのプロジェクトは始まりました。

これまでに築いてきたヒストリーに、これから築いてゆくスタイルを重ねられるように、最優先の機能・最小限の空間演出をデザインソースにすることとしました。

エントランスの存在は控えめにするべく、店内へのアプローチを深々となる回廊とし、これからはじまるであろう美しい時間へといざなうようにしつらえました。

回廊の先には、これまでの店舗で長きに渡り活躍してきた天板の一部を再生した、組み木のオブジェが出迎えてくれます。これらを囲むように配置した2枚のガラス越しに店内が垣間見える床には、漆黒の自然石を配し、客席カウンターには絹のようにきめ細かい無垢の木曽桧を使用。これらを包みこむ空間色素としては白を選びました。

店主と客席とのほどよい距離感をとり、その時間をゆったりと過ごしてもらえるよう、店内の一部をあえて下げることでしずかな影をつくっています。また壁の隙間からあふれる光に高低差をつけることで、凛とした中にも柔らかな演出ができるよう配慮しました。

今回のプロジェクトを通して「本物を伝えることとは、突きつめていけば本当に必要なものはそれほど多くなく、ミニマムな要素で足りる」といったバランス感を、オーナーならびに店主から教えられた気がします。

単純な所作が実はものすごく難しかったり、誰にでもできそうなことが実は正確な動きを必要としたり、そうした「技」のある店主の思いを肌で感じさせてもらったことに感謝するとともに、シンプルな店舗でありながらも現場製作者として携わった総勢55人のプロの職人達に合わせて感謝します。

「鮨と酒 静」
茅ヶ崎市共恵1-3-14 ライオンズプラザ1F TEL/FAX 0467-88-1144
Webサイト
http://www.shizuka-chigasaki.com

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