敷地形状が台形の変形地で、2辺が道路に面しているため、ほぼすべての敷地境界からの斜線制限がかかる難しい土地でした。そのため北西からの北側斜線と北側から道路斜線形状に合せたボリュームの形状を生かすプランニングを行いました。最も高さが取れる南側をリビングスペースとし、屋根形状が下がっていく場所からダイニングスペース、キッチンと配し、屋根のボリュームがプランの配置と連動するように計画しています。また、これらのボリュームを十分に生かすため、断熱は屋根断熱工法を採用し、2Fの軒レベルの水平剛性を屋根の野地板レベルでも確保できるような構造検討をしています。
外壁は、通常屋根材として使うガルバリウム鋼板の立て櫨葺きとし、低層部分は素地のモルタルによる構成とすることで、ボリュームの分節を行うとともに、男性的で少し無骨な印象にも見えるファサードの構成をめざしました。
内装イメージは男らしく、荒い無機質な感覚です。構造の梁を見せ、フローリングはオーク材の節や色ムラのある商品を使用しています。
2階に上がって正面にはキッチンがあり、ステンレスの天板に側面はチークの古材を貼り仕上げています。キッチン背面には収納を設け、上部の吊り収納は食器等が飾れるようなオープンな棚を設置しています。
鉄骨階段や手すり、照明器具などは随所に黒色を入れて全体を引き締めています。