JRの駅からほど近いエリアにおける全5棟ある3階建て分譲住宅の計画です。建売りとはいえ似通った建物が並ぶというのではない、多棟であるからこそつくれる大きな全体性や風景があるのではないか?そんなことから、マンションと戸建住宅が混在する地域における分譲住宅地の風景というものにテーマを設定しました。
片流れ屋根とバルコニーの形を利用し、棟ごとに屋根面・壁面をジグザグに折るというシンプルなルールでそれぞれの住宅を計画することで、斜めの面がリズミカルに集合し大きなランドスケープのようにとらえられる住宅地を考えました。
斜めに切られたバルコニーは、近隣の視線を避けたり、日照を確保したりと、プライバシーや環境の装置としても機能しています。
南と西の道路側の外観はマンション的な立面を引用して、「バルコニーの積層」と「同じ窓の反復」としています。
隣棟間の外観は、それぞれの窓を大きくずらすことで、隣地に対しての開放性や、隣の外壁からの反射光など、住宅地全体で環境が成り立つような計画としました。
ひとつひとつが個性のある住宅としても、また共存する大きな集合体としても見える、分譲住宅地。駅周辺の小さな住宅群とマンションのスケールを緩やかにつなぐような風景をめざしました。
内装は、住まわれる方が自由に個性を出せるよう、各棟で建具やクロスは白で揃えてシンプルな内装にしています。
キッチン廻りは対面式にしており、カウンターを設けています。洗面室は収納スペースに可動棚を設けました。