敷地は住宅街の中、北側の旗竿地です。採光には不利な土地ではありますが、表通りから一本入った静けさと、北側には源氏山の山並みが見える魅力的な敷地です。
必要面積から3階建ての住宅となることを利用し、南面窓からの光を家全体に導くことで、明るさを確保した上で、北側の景観を臨む計画としました。
階段室や吹き抜けを南面に配し、南面の光を下階まで導くと同時に、重力換気にも有効に働きます。
内装は白を基調とし、できる限りシンプルにすることで窓の外の緑が映えるよう計画しました。
2階リビングの収納はシナの合板で製作しています。シナの素材感を活かしつつ、白い空間に溶け込むよう、うっすらと白の塗装を施し、タモ材の引手でアクセントを加えました。
3階洋室の吹抜けに面した小窓は以前の家にあった障子をしつらえ、開口も以前と同じ意匠にすることで昔と今とをつないでいます。