マンションの最上階に位置したワンフロアの改修工事です。築年数を経たマンションということもあり既存図面から読み取れる情報が少なく、現地調査を行いほぼ一から始めたプロジェクトです。
現況の部屋のつくりを残しつつ新たにご提案する中で、できること、できないことが徐々に見えてきました。改修工事はフタを開けてみなくては分からない部分も多く当然ながら予算の限界もあります。あらためて新築の住宅よりも制約が多いことを感じました。
しかしながら改修工事はその当時の流行りや、設計者の意図、住まい手の要望が読み取れるので楽しいプロジェクトでもあります。今後の住まいづくりに活かせる経験をすることができました。
内装はお施主様のイメージが確立されており、そのイメージをていねいに拾い上げることを心がけました。まとまった色味の中に石、木調、ガラス、スチールと異素材をちりばめることで空間に変化をもたらしています。
キッチンとリビングダイニングを隔てていた下り壁+廊下の壁の一部を撤去したことにより、家族3世代が集まっても
それぞれの居場所にゆとりのある大空間となりました。
リビングの照明は回路を細かく分け、ご家族団らんの時はペンダントと天井間接照明、映画を観る時は壁際のスポットライトで石壁だけを照らし、本や新聞を読む時はダウンライトで全体を明るくなど、さまざまな場面に対応できるように計画しています。
■AFTER
■BEFORE